丘の上の王子馬

『ドリーム・ホース』*1を観ました。大騒ぎでした。競馬シーンに「わー!させーー!させさせー!」とブチあがり、劇中歌の、ごきげん爺さんと村人たちの唱和する痴情のもつれソング*2の、ナイフで刺しちゃったぜ♡のくだりには「さすなーーっ!」と大笑いでした。*3
楽しかったなあ。わたしは競馬には疎いのですが、「走るのが速い」に弱いのです。加えてドリ太郎はやさしそうで賢そうで、グッドルッキン馬*4でしたから、怪我なく楽しくと祈るばかりでした。きつね狩りにしても、お馬がかわいそうとおもってしまいます。
ドリ太郎が“谷”から来たなどと紹介されるたび、「ウェールズって、山もないのに?*5」と戸惑ったりもしました。しかし調べてみればウェールズは山がちな国とのことで写真も。見たかんじ、みんなして土を盛ったふうには見えませんね…

*1:"DREAM HORSE"(2020) ユーロス・リン監督。ウェールズの小さな村の有志で競馬馬を持つおはなし。よかった。とはいえジャンの抱える虚しさは老親と夫がちょっとひとでなしだからとおもう。ふつうに彼女に関心や感謝や労いをみせるひとたちだったらな。でも渇望があるの。

*2:Tom Jones「Delilah」(1968)

*3:でも歌詞を確認してみると、“I felt the knife in my hand”なので刺したとはいってないのね。差すだって、日本語なので、英語では"come from behind"ですって、なのでガチだじゃれだったのかも。ぐっじょぶ。

*4:ポニー時代ほとんど佐藤健。パパ馬がまためちゃイケ馬でねえ…そういえば下ネタがなかったな。21世紀だ。

*5:ウェールズの山』"The Englishman Who Went up a Hill but Came down a Mountain"(1995) クリストファー・マンガー監督脚本。とある村の誇るお山を測量してみたら高さが足りない、山にあらず丘であるっていう衝撃の事実と対峙するおはなし。