ポアロふたたび

ナイル殺人事件』を観ました。若くうつくしい大富豪であり、ひとから恨みを買いがちな女性が旧友の婚約者との略奪婚に成功するも新婚旅行先で何者かによって殺害されるというミステリーです。ピラミッドもアブシンベルもスクリーン映えがして、よかった。観光サスペンスムービー、もっと観たいなとおもいました。
さて、ケネス・ブラナーポアロも二作目です。こんかいの翻案はポアロも愛の当事者だった過去をひみつとして抱いているというもの。ある意味いまも傷付いている。さすがに引き摺りすぎでは?ひとを愛することを諦めないで!みたいなナイルの氾濫のごとき奔流がリネットとサイモン、ジャッキーの関係からセックス以外のすべてを押し流してしまったのでびっくりです。
ただこれはサイモン役のスキャンダルに配慮した編集の影響かもしれません。よく躾られた性獣ちゃんなら嘲笑されても恐怖や羨望の対象にはなりづらそうだなと。まったく、加害はあらゆるところを歪めるとおもう。ダメ。せっかく、なんならどっちに転んでも損はないくらいの冷酷さを垣間見せるなどのエグい方向に凝れるポジションだったのに。ばかばか。とはいえリネットもふつうにゴージャスなマネキンだったので、ビッグネームに期待させることこそがミスリードだったのかもしれません。
いっぱいもんくいってるぽいですけども楽しみました。ワニのかっこいいカット、あと、斧!